毛利志満 2021-2022 Catalog
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- 毛利志満は自家牧場で真心こめて近江牛を育てています
おいしい牛肉づくりを 支える「三方よし」の 考え方
牧場の牛たちが消化促進のために子牛から 出荷前まで食べている稲藁、実はレストラ ン「近江牛 毛利志満」でお出ししている お米の稲藁です。滋賀県野洲市の南櫻地区 で生産されている近江米「櫻味の輝」は、 県が認めた「環境こだわり農作物」の認 証を受けた環境保全への配慮ある産地で つくられているお米。そのお米づくりに 欠かせない肥料が当牧場から出た堆肥 なのです。藁を牛が食べることでおいし いお肉づくりにつながり、また牛の排泄 物がお米づくりには欠かせない肥料となる。 いわゆる循環型のエコロジカルな成育シ ステムが構築され、自然環境への配慮と いう点で、SDGs、あるいは近江商人が唱 えた「三方よし」 (売り手良し、買い手良 し、世間良し)の考え方に連なるものです。
おうみ ひかり
昔ながらの 近江牛の定義を いまも守り続けて
毛利志満では、 「おいしいお肉を多くの人 に食べてほしい」という想いから、県が 定めている近江牛の定義のほかに、 「但 馬系統の未経産の雌牛であること」 「鈴 鹿山系から流れる愛知川、日野川、野洲 川の間の肥沃な流域で育てること」 「買 付けてからの肥育期間は約 2 年半であ ること」といった昔ながらの近江牛の定 義を独自に守り続けています。血統と肥 育環境、餌、そして肥育期間のうち、 どれかひとつでも疎かにしてしまえば、 毛利志満が誇る本当においしい近江牛肉 にはなりません。だからこそ、私たちは 昔からの定義をかたくなに守り続けてい ます。
一頭一頭の牛と 向き合いながら、 愛情をかけながら
牛の肥育でもっとも難しいことは早期の 病気発見です。発見が遅れてしまうと症 状がひどくなり、生死にかかわってくる 可能性も出てしまうほか、ほかの牛たち への感染も危ぶまれます。だからこそ、 ことばを話すことができない牛の異変を いち早く気づき、病気の進行や悪化を未 然に防ぐため、毎日一頭一頭の顔と体、 しぐさをしっかりと見て体調を確認しな ければなりません。体調が悪い牛を見分 けることは簡単なようで実はかなり難し い仕事です。牛と向き合い愛情をかけて 育てているからこそ、ささいな変化でも 見逃すことなく気づくことができるので す。
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